Sailing in the Dawn

残酷な運命も変えなくていい。

ニカ千尊いと書いて日常と読む

 

ニカ千とは。二階堂高嗣と千賀健永のキスマイにおける唯一の同い年かつ最年少シンメ。キスマイ結成以前からあり現存するという意味で、由緒正しきシンメ。

 

前のエントリーを読んだことがある方がもしいたらわかると思うんですが、私のシンメ厨の始まりは仁亀でした。もともとシンメでなかった2人、亀梨くんがどーしてもどーしても赤西くんとシンメになりたくて頑張った話は尊い以外の何物でもない。努力家で真面目な亀梨くんと天才肌で自由な赤西くんの正反対のようでそっくりなふたりは、私の中で「恋人」シンメ。お互いがお互いを預け合う存在でした。

そんな仁亀と似てるようで似てないふまけんは「相棒」シンメ。性格も考え方もコンサートの構成も正反対。そんな2人はお互いがお互いを補い合う存在。

 

そして、ニカ千である。

ニカちゃんと千賀さんがシンメであることは当然、このキスマイ沼に落ちたここ数ヶ月で知ったことでもなんでもなくて、昔から知ってる事実で。千賀さんが二階堂大好き大好き♡♡で、ニカちゃんはそれに対して割とドライ(でも千賀さんのことは大好き)みたいな感じのイメージというところまでは掴んでいた。

だがしかしニカ千と検索すると付いて回るワードは「双子」である。

 

双子?ニカちゃんと千賀さんって似てなくない?

うーんどっちもかわいい。でもカワウソとゴリラ

というか、このふたりもシンメのご多分に漏れず、かなりの部門において正反対である。

千賀さんはとにかく芸術家というか、息をするように自分のことを表現するというか。昔からダンスの振り付けとかやってるのは知ってたのだけど、絵もかくし、ピアノもひくし、誰にも頼まれてないのに70曲も(!)歌作るし、よくジャニウェブに私服コーデ載せてるのもたぶん同じ現象で。才能と情熱が有り余ってるみたいな感じかな…どっかにその自分のアーティスティックな感性をぶつけていないと落ち着かないのかもしれない。そして、とにかく感情表現が豊か。だから二階堂大好き♡な感じが溢れまくっちゃってるし、感動した時嬉しい時悲しい時悔しい時は素直に泣くし笑うし、全部外に出ちゃうんだよね、そこが可愛いんだけど。

対してニカちゃんは、15歳の時から「人間観察が趣味」と言っていたり、藤ヶ谷さんによくバランスを見てると言われたりするように、自分のことは結構後回しにしがち。というより自分のことはそんなに興味がないのかなあ。自分の一番好きなところが「メンバーが大好きなところ」というところも結局自分単体の話じゃないんですよね。それに自分がどの立ち位置でいればいいか伺ってる感じは、いろいろな映像を見てるとそういう瞬間が確かにある。そしてニカちゃんは自分のことを頑なに語らない。メンバーや後輩にどんな言動をしたかバラされても、それが良ければ良いエピソードである程しらばっくれちゃったりする。まあそんなところも可愛かったりするんだけど。

 

その正反対具合がよく現れるのが、去年のI SCREAM魂のソロコーナーだなぁと思ってて。

千賀さんが選んだのは、自分の歌とダンスを存分にいかせるお洒落なダンスナンバー。この曲は相棒と全ジャニヲタが好きなやつ!!と言ってるのだけど、とにかくかっこいい。そして、千賀さんもかっこいい自分を見てほしい!!!!という欲で溢れてるのである。いや、もはや欲でもないかも。これが彼の通常運転なんだと思う。常に自己表現し続ける千賀健永がやりたいことを詰め込んだらこうなるんだなぁという感じ。

それに対して、ニカちゃんがやりたいことを突き詰めると………いや女装したかったかはさておき、彼のソロコーナーには二階堂高嗣ではなくて、キスマイが大好きな「ジョッシー松村」がやってくる。しかも、ニカちゃん以外の舞祭組のメンバーのソロには他のメンバーが出てくるのに対して、本人含めキスマイが一切出演しない。要するに「キスマイの二階堂高嗣」のコーナーではないという不思議なことが起きてしまう。とことんやりたいことを考えたらファンを代表して「ラブキスマイYes!!」って連呼する曲作るって、いったいどういう事なんでしょう(笑)でもこれがニカちゃんのやりたいことだとしたら、自分の存在を全面に押し出す千賀さんとは全く逆だなぁと思うわけです。

 

ニカ千の正反対要素は他にもいろいろあって、例えば歌声もそう。千賀さんはロイヤルスイートで高音がよく響く声で、みんなに言われちゃうくらい特徴的なビブラートがかかっててとにかく湿度が高い(?)んだけど、ニカちゃんの声は乾いててるしハスキーで低音が響く声。ダンスもやっぱり正反対でニカちゃんは動きも大きく軽やかだけど、千賀さんは無駄なく的確だし重心低め。

ファッションも、私がクリエでご一緒(?)した時の私服を加味してもニカちゃんは割とシンプルでモノトーンだけど、千賀さんはどちらかといえば柄物のイメージだしカラフルな印象がある。というかニカちゃんはそもそもあんまりオシャレに興味無さげなような。ジャージかスウェットのセットアップばっかりのイメージ(笑)しかも中は無地のタンクトップだしキャップ被ってセカンドバッグ持って雪駄はいてるってイカつい。そりゃ職質にも合うよ。あっ話逸れた。

あと上でも言ったけどニカちゃんは自分の一番好きなところが「メンバーが大好きなところ」「バランスを見てるところ」と、自分単体の話じゃないことしか出てこないのに、千賀さんは「ダンスがうまい」「切れ長な目」「後ろから見た自分の背筋」「歯並び」と自分の好きなところがポンポン出てくる。そんなところも正反対。

小さい頃のことを考えてみると、ニカちゃんは弟キャラをいいことに超悪ガキでクソガキだったと思うけど、千賀さんはお坊ちゃまだし、悪ガキに振り回されるタイプだったんじゃないかな。いつでもニカちゃんは率直に自分の意見をいうけど、昔の千賀さんは自分で意見が言えないことを結構悩みにしてた思い出もあるなあ。そういえば千賀さんは長男だけど、ニカちゃんは末っ子でそんなところも正反対。すごいね。

 

そんな正反対のニカ千は、お互いに良きライバルでもある。

ただ、「こいつにだけは負けたくない」というライバル心って、時として相手をマイナスに見ることがあるじゃない。負けたくないってことは、自分がプラスになりたいから。でもこの二人見るとそういうのないなあって思う。もちろんニカちゃんグレてた時期(笑)もあったし、たくさんの時間を一緒に過ごしてるから、すれ違うこともあっただろうし、喧嘩もたくさんしたんだろうなって思うから、マイナスの感情が浮かぶ時期もあったのかもしれないけど。でも、やっぱり自分のたった一人のシンメはかっこよくて凄くて尊敬できるから、自分もそうなりたいっていうプラスの感情をお互いが加速させ続けた結果が今だと思う。

尊敬しあえる関係ってかっこいいなと思うし、お互いがお互いの存在無しにここまでこれなかったって言い合うあたりが素敵だし、お互いがお互いの良さを分かってて引き出そうとしてくるのが素晴らしいと思うし、ニカ千って結論尊い。あとは、同い年ってところも重要なんじゃないかな。実は思ったより同い年のシンメって少ないんですよ。もちろん歳が違っても対等な関係を築いてるコンビは多いけど、どっかで年上年下の関係が見え隠れする瞬間ってあると思います。でもタメは全く対等の関係なわけで、だからこそ「こいつには負けない!!」という感情が燃えやすいのかもしれない。

 

そしてお互いがお互いのかっこよさを存分に引き出そうとした結果が、KIS-MY-WORLD収録の「Double Up」だとおもう。

この曲、歌のパートとラップのパートがせわしなく入れ替わり複雑に絡み合っているのだが、あえて歌は千賀さん、ラップは二階堂さんで担当分けしている。千賀さんいわく「千賀feat.二階堂」状態なんだけど、これがかっこいいんだよね。ニカちゃんの歌も聞いてほしいって強火二階堂担の千賀さんはめちゃくちゃ思ったんだろうけど、曲の完成度を考えた時には絶対これで正解だったはず。

 

ところでこの「Double Up」というタイトル。

どんな場所でも 君がいるなら

Here we go いつもの倍 Get crazy

Let's double up

歌詞から連想するに「Double Up」って、単純に倍になる、倍に増えるみたいな意味なのかな?と思ってたんですけども、調べてみると普通に使うと「二つに折る」とか「折りたたむ」って意味が出てきます。うーん、たぶんちがう。まあ、Doubleで2倍だから倍加するってことなんだろうなと納得してたのですが。

ですが調べてる内に、ギャンブル用語に「ダブルアップ」という単語があることを知りました。意味は、「成功すれば今までの勝ちが更に2倍、失敗すれば全てが0になる」ゲーム、そしてこれを動詞で使うとこのゲームに勝つという意味になるようです。

もう、これでこそニカ千だろうと。

この曲のパート分けに関しては、片方の歌割りを減らしてでもきっちり歌とラップに分ける必要があったのか、この英断が吉と出るか凶と出るかは博打的なところがあったと思うんです。そしてこの賭けに2人は勝ったんだと思うんです。ニカちゃんの歌割りが少なくなってしまうことに関して、よく思わないファンもいたかもしれないけど、もしくは千賀さんのかっこいいラップが聞きたかったファンもいたかもしれないけど、この曲の完成度と圧倒的な格好良さで外野を黙らせた2人は、まさに「Double Up」なわけです。

というか、たぶん負ける事は頭になかったんじゃないかな(笑)怖いもの知らずの最年少コンビは。かっこいいダンス曲を選んで、お互いがお互いの良いと思ったところを存分に引き出して、完成した曲が素晴らしいとしか思ってない。たぶん。でもこんなにかっこいい曲レコーディングしてる様子が、全然かっこよくない(笑)ニカちゃんなんか英語にカタカナでルビ振ってるし。謎のフリで千賀さん笑わせてるし。でもそんな二人がこんなかっこいい曲をやる、でもおバカで天然で…っていうこの無限ループがニカ千の真骨頂なのかもしれない。

 

まあこんな正反対でライバルだけど、誰よりもお互いを信じてるという少年漫画のストーリー生まれちゃいそうな二人がどうして「双子シンメ」と呼ばれてしまうのかと、私はそう思ってたわけなんですが、お口を大きく開けて目を線にして楽しそうに笑うと…

 

なるほど。そっくりだわ。

 

顔が似てなかろうがなんだろうがこの二人は双子なのかもしれない。いや、誕生日が違おうが出身地が違おうが双子なのだ。それ以外の説明がつかない。なにかと動きも表情もシンクロしてしまう二人だけの、誰にも邪魔させない世界がきっとそこにはあるのだ…ニカ千って凄い…これが双子シンメか…。とにかく見てるとキスブサ隣同士のお席で全く同じ顔して同じ動きしちゃう様子が多く見られました。仁亀もよく動きが何故か揃う現象あったけど、表情までシンクロするとはおもしろすぎる。

 

さらにこの二人、エピソードに事欠かない。

一番の恐ろしいエピソードは、20歳の頃二人で占いに行って、前世二人は兄弟だったと言われたというやつ。

そもそも20歳の二人が一緒に占いにいってるあたりがめちゃくちゃかわいい。仲良しか。どっちが誘ったんだろう。そして何を占って欲しかったんだろう(笑)詳しい話を知らないのくやしい。しかも前世は兄弟と言われて、千賀さんは大喜びで信じてるし、ニカちゃんは全然喜ばなかったってあたりが最高にニカ千(でもなんだかんだニカちゃんもその話は信じてる気がする)。千賀さんはとにかくニカちゃんへの愛が重い。

去年のI SCREAMツアーではほぼ毎公演愛を叫び、ニカちゃんの誕生日には「生まれてきてくれてありがとう♡」と言い、そうやって言われる度に照れるニカちゃんに向かって「そうやって照れ笑いしてるところ(が好き)」と言い放ち、収録日には「大好きだよ」の一言をニカちゃんから引き出してしまう千賀さん恐ろしい。だがしかしこのニカちゃんからの愛の告白。この日、千賀さんのほうは言うことを決めていたらしいが(それにしても収録日にニカちゃんに言わせるなんて確信犯すぎるし、言うことを決めてたからこそのあの顔の緩みっぷりだったハズ)、ほかの日は全くのアドリブだったのでもちろんニカちゃんはその日何を言われるかその瞬間までわからないわけで、つまりあの「大好きだよ」は、突然話を振られたために完全に素の反応だと思われる。あれだけ照れて「マジかよ……」って思ってるところに「大好きだよ」って言ったってことは本心に違いない。そう信じざるを得ない。というか絶対そうだ。この二人、相思相愛すぎてこわい。

でもこの二人、その昔少クラのお手紙コーナーで公開告白してるわけで結局二人の関係性はずっと変わってない。あの日は千賀さんが「大好き」って言ってニカちゃんが話に割り込む形で「オレも!」って言ってて。お手紙コーナーってお互いに手紙を読み上げるコーナーなので、基本片方が読んでる時、もう片方は聞くべきなのに、そこに割り込んで「オレも!」って言ったニカちゃん、どうしても遮ってでも言いたかったのかとおもうとニカ千尊すぎてムリ。

でもこの二人、お互い大好きと言う割には、宮玉みたいにイチャイチャしてる関係というよりは気を許した友達って感じなのも好き。距離は近いけどね。だって普通寝起きドッキリで、寝てる人に向かって上から思いっきりダイブしたりしないでしょ。

 

 

この二人には、双子でもいいけど、ニコイチという言葉がいちばんしっくりくる。

二人が中学生の時からずっと一緒。私の知る限り、二人にほかのシンメがいたのを知らない。いつもニカちゃんの隣には千賀さんが、千賀さんの隣にはニカちゃんがいた。大好きで大切な存在。お互いがお互いを求めて、お互いがお互いを信じて、お互いを高め合う存在。そして二人でいる時、一番表情が豊かになるなって思います。ニカちゃんは千賀さんといる時が一番かわいい。千賀さんといる時は色んな顔が見れる。そして、私はニカちゃんばっかり見てるからわかんないけど、きっと千賀さんもニカちゃんといる時が一番かわいいと思う。お互いおバカで天然で、でも天然っぷりは圧倒的に千賀さんが勝利なので、突っ込むのはニカちゃんの役目。でも一方で千賀さんは自分のことを言わないニカちゃんのエピソードをどんどんバラしてくれて、タジタジにさせちゃう。そして言葉の足りないニカちゃんのフォローをしてくれるのも、扱いがうまい千賀さん。そんな時だけ立場が逆転しがちなニカ千はとてもかわいい。

 

私が彼らに望むことがあるとしたら、ただ一つだけ、これからもいつまでもニカちゃんの隣に千賀さんが、千賀さんの隣にニカちゃんがいる日常が続きますように。