Sailing in the Dawn

残酷な運命も変えなくていい。

こんな好きな人に出会う季節、二度とない

 

ひさしぶりにこのブログを動かす理由がこれでいいのか?わたしよ。

 

こんばんは。

突然ですが私はいま、猛烈に仮面ライダーにハマっています。

自分でも嘘だろと思うんですけどこれが嘘じゃないのが怖い。

 

今までの人生、アイドル(ジャニーズ)とバンド(邦ロック界隈)を追いかけて早何十年というオタク人生なんですが、アニメとか漫画とかに激烈にハマった経験はなかったんですよねえ。物語として楽しむことはもちろんあるけど、キャラクターや空想の人物に思い入れを持つことがあんまりなかったんです。生身の人間だけ。

アイドルもバンドもナマモノだから面白くて。悲喜交々の感情含めてオタク人生。

 

そんな私の人生を変えてしまったのが仮面ライダー。ほんとに。なんでこうなった?

 

いやいや、仮面ライダーなんて子供向け番組でしょ?

 

と思ってる通りすがりの読者さま。

その気持ち、よくわかります。

わたしも本当にそう思ってました。半年前までは。

 

 

そんなあなたに本日、オススメしたいのがこちら!

 

"仮面ライダー龍騎"

youtu.be

仮面ライダー龍騎 | 仮面ライダーWEB【公式】|東映

平成仮面ライダー第3作(去年放送開始20周年㊗️)にして、ライダー同士の戦いを描いた意欲作です。多人数ライダー制とアイテムがあれば"誰でも"ライダーになれるという点で当時は画期的だったらしい。

 

もちろん、わたしも

そうは言っても子供向け番組でしょ?

と思って見始めたんですけど、このころの仮面ライダーは子供が日曜の朝見るにしては内容があまりにシリアス過ぎるんですが……?

変身して戦うシーンは勿論かっこいいんですが、あくまでもライダーに変身する登場人物の人間関係がメインであり、1年間かけて物語が完成するあたりは基本1クールで終わる民放ドラマよりも、重厚というか壮大というか。大河かな?

 

特にこの「仮面ライダー龍騎」は9.11の事件の影響を色濃く受けていて、企画の段階で

子供たちに本当の正義を教えよう!

みたいなテーマで、という話が上層部から出てたらしいのですが、制作陣は

我々は本当の正義を知っているのか?

という話になり、本当の正義とは?それぞれがそれぞれの正義を掲げて戦ったら、どうなってしまうのか?みたいなことを仮面ライダーを通して描こうとしたというお話があるそうです。上層部に皮肉で投げ返しちゃうくらい、命削ってる作品。ホントに。

メイン脚本家は小林靖子さん。最近だと岸辺露伴などで大変有名な先生ですが、ほかの戦隊モノや仮面ライダーも手がけてます。いつかマジの大河書いてほしいな…。そして特撮界隈で知らない人はいない井上敏樹大先生との共作。ちまたで話題の?ドンブラザーズ書いてるのはこの人。どちらの先生の回も「愛憎渦巻く」といった感じでいて、美しい。

 

そんな仮面ライダー龍騎を紹介していくよ!!ここまで前フリ。

 

 

◎ここがスゴイよ!仮面ライダー龍騎

①イケメンパラダイス

このシリーズには13人のライダーが出てきます(これは他のシリーズと比較してもわりと多い方)。中には女性もいるので全員が、とはいいませんが、主にメイン脚本家とプロデューサーの好みによりま〜〜〜イケメン揃いでとりあえず眼福です。それぞれの登場人物も様々で、スーパー弁護士もいれば、占い師もいれば、なんと脱獄中の凶悪殺人犯もいる。殺人犯が"仮面ライダー"になった時は苦情が殺到したそうな。

このライダーの中に世間的にめちゃくちゃ有名な俳優さんがいないことが不思議なくらいなんですが(1番知名度があるのはまさか元純烈小田井さん…なのか?!)とりあえず主演のご尊顔でも見ていってください。2枚目の写真のさわやかさよ。たまに顔が良すぎて壁に頭打ち付けてる。

ちなみにページ全部読むと致死量のネタバレなのでお気をつけあそばせ…。

 

②主人公がカワイイ

そんな大変顔の美しい(主観)主人公、城戸真司(きどしんじ)はドジでおっちょこちょいでおバカだけど優しくて真っ直ぐで、持ち前の明るさと行動力でどんなことにも首を突っ込んでいくという、もはや少女マンガの王道ヒロイン。主人公兼ヒロインとかいう新しいジャンル。守りたいこの笑顔……

職業はジャーナリスト見習いで、いつもHONDAのズーマーという原付にのってます。仮面ライダーなのに原付。ちょっとダサいけどそこがキャラ。そして料理が得意というギャップ。

仮面ライダーの主人公は大体お人好しで正義感が強い、最初からヒーロー気質のキャラクターが多く、真司くんもどちらかと言うとそういうタイプだけど、彼の場合、お人好しというよりは「ほっとけない」って感じなんですよねえ。つい身体が動くというか。喧嘩っ早いし口悪いとこもあるし。まあ、とにかく行動力だけはあるのでジャーナリストには向いてると思う。たぶんね。

 

なお、真司くんを演じた須賀さんは真司くんの明るいキャラとはかけ離れた、どちらかと言うとマイペースで控えめなお兄さん。ボケる時はスン…とボケるところがまた面白い方です。素の方を見れば見るほど城戸真司とは真逆のキャラしてるので、俳優さんってすごいな、などと。あと、とにかく顔が美しい(まだ言う)

 

③最終回が複数ある

この作品、簡単に言うとバトロワなんですが、主催者だけ時間を巻き戻すことができるため(あるまじきチート技)劇場版、テレビSP版、テレビSP未放映版、そしてTVシリーズ(本編)と少なくとも4つの分岐ルートがあり、全て違う結末が待っています。なんでや。

本編最終回は2003年1月だったのですが、その半年近く前の2002年8月に「先行最終回」として映画が公開されたと聞いた時は何がなにやら???でしたが、先に劇場版を見たか見てないかによって、本編最終回を見た時の気持ちがちがってくるという仕掛け。

ちなみにテレビSPというのは本編を放送してた時期に、なんとゴールデンタイムに放送されたTVシリーズとは違う時間軸のお話(1時間でわかる入門編みたいな感じ)なのですが、これがリアルタイムの電話投票で視聴者が結末を決めるというとんでもシステム。今で言うdボタンの投票的な感じでしょうか。私当時生きてたのになんでしらないんだ?

当時は「戦いを続ける」の投票数が多かったのでそちらが放送されたのですが、ちゃんと「戦いを止める」ほうも撮影されています。ただ実は「止める」ほうがバッドエンドで、アレ放送されてたら怖いかも。

なお、放送開始から17年後にはスピンオフが制作され、去年は今の仮面ライダーの映画にレジェンド出演してるので、たぶん分岐ルートは他にも存在してるんだろうなあという曖昧な設定がまたミソなんです……

 

 

◎ここがダメだよ!仮面ライダー龍騎

①戦わなければ生き残れない

マジでこの一言に尽きる。

この作品では、「最後の一人になれば願いが叶う」と主催者から誘いを受けたメンバーが、自らの願いをかけて自分の意思でモンスターと契約して、自分の意思で仮面ライダーに変身して戦います。あ、モンスターとではなく、ライダーと戦います。なんなら

初対面でも名乗らずにガンガン潰しに来ます。怖。

モンスターが人を襲うところに駆けつけて倒しにいく場面も勿論あるので、その辺は分かりやすく「仮面ライダー」ですが、その場にライダーが2人以上居合わせればそのままバトルになるし、決着をつけるためにお互い合意の上戦うこともしばしば。要するに、

 

仮面ライダー同士が本気で殺し合うお話です。

 

日曜の朝8時からコレ放送してた平成is不穏。

そのあと、8時半からはおジャ魔女どれみだったのがもっとすごい。振り幅。。。

わたしは仮面ライダー同士って戦隊ヒーローとは違って個人プレーかもしれないけど、それなりに認めあって共闘して、一緒に悪の組織とか倒してると思ってたよ。ウン。その辺の期待は2話くらいで早めに折られます。主人公初変身、初人命救助、からの即、助けたライダーに攻撃される。この世は残酷。

そしてライダーの退場シーンはかならず1人ずつちゃんと描かれます。ナレ死しない。一気に2人死ぬとかもない。基本は血だらけとかじゃないのがせめてもの救いかな……ただ一切、死んでも報われない感じがほんと現実。

なお、「戦わなければ、生き残れない!」は、本シリーズのキャッチコピー。

 

あの……戦って生き残れましたか………

 

 

②主人公に過酷すぎるシナリオ

そんな殺伐とした戦いの中、主人公はモンスターから人を守るためにライダーになることを決めます。なのでライダーと戦うつもりは最初からないし、ほかのライダーには戦うのをやめろと言い続けます。

でもほかのライダーには叶えたい願いがあって、最後の一人になるために必死に戦ってる。とくにもう1人の主人公というべき2号ライダーの願いは恋人を助けること……だから主人公は戦いながら、自分はどうしたらいいのか、何が正しいのかをひたすら悩むわけです。あの……

ツライ

この戦いがなんたるかを知り始めてからは……

もうほんとツライ。

仮面ライダーは泣きながら見るものだと思ったことは無かった。人生30年にして新発見。

でも、これを子供向け番組でやった事がすごいとおもってて。ちびっ子にはさすがにちゃんと理解できないかもだけど、それでも「戦うことはよいことなのか?」「自分の願いのために人を傷つけていいのか?」「何が正しいのか?」「正義とは?」という内容を主人公はさいごまで悩み続けるので……ある意味子供に見てもらいたい作品かも。

 

わたしはこの城戸真司というキャラクターが好きです。とっても。

どんな人ともフラットに話ができるからこそ、みんなの話を聞いては悩むけど

自分のできないこともできることもわかった上で、何が正しいのか。何をすべきか。そしてさいごは、自分がどうしたいのか。考えて考えて、ちゃんと答えをだす人。

悩んで迷って眉間に皺寄せてても、周りには心配させまいと笑顔を作って明るく振舞ったり、どれだけ裏切られても攻撃されても友をずっと心配し続けたり、敵だったはずのライダーの死に憤ったり後悔したり。

優しいんだか馬鹿なんだかと他のライダーには呆れられたりもするけど

ただ、2号ライダーとの、敵であり友である2人の関係性は見ててしんどい時ばかりで、でもそれがこの作品の1番の見どころ……。どんな分岐ルートでも2人は出会うのに、ただの友でいられないのも、ただの敵でいられないのも本当に辛い。

 

本当はその2号ライダー秋山蓮はじめほかのライダーの話、バトロワ主催者と(本当の)ヒロインとの話、カードバトル的な面白さ、中の人の話、名言、たまにでるシュールなギャグなどなど、あれやこれやほんとに一生語れてしまうのですがこの辺にしときます……。もしよかったら………

とは言いつつも、まあ、あの、この長文乱文をここまで、飽きずに読んでくださった方にはうっすら伝わってるかもですけど、この作品、終盤はとくに悲しくてしんどい話なので、見て欲しいのはやまやまでも気軽にオススメするのははばかられるなと……。万が一気持ちが向いた時に思い出してくれればいいなという思いです。こんなに書いといてアレなんですけど笑

 

 

あ、仮面ライダーは他にもたくさんシリーズがあります!!平成2期はここまでシリアス展開じゃなくてもっと明るい作風も多いです。あともうちょっとちゃんと「正義のヒーロー」してると思う。ほかの作品の話もいつかしたいな〜。現行シリーズもおもしろいです。今のところどこに着地するか皆目見当もつかない。

ちょこっとでも興味がある方は、公式のYouTubeで全作品最初の2話ずついつでも見れる(太っ腹!!!!)ので、ひとまず知ってるイケメンを探すもよし赤楚衛二も高橋文哉も吉沢亮仮面ライダーなの?!って驚いた日のことは内緒)、面白そうな設定の作品を探すもよしです。2話見ればまちがいなく変身シーンまでたどり着くはず。勿論私もまだ全作品見たわけじゃないから(網羅するには時間と情緒が足りない)少しずつ手を出していきたいけど、

きっと真司くんがこれからも私にとって1番好きなライダーだろうなって

あまりにもまだ、思い出にするには強烈で鮮明で、正直まだ気持ちはクソ引きずってるんだけど(たぶんあと1ヶ月は引きずる)、最終回を前に"1年間"ほんとに、いろんなことがあったなあって、走馬灯のように思い出したりして。

一応ここにネタバレは書きたくないから書かないけど、今もどこかで、元気にしてるかなあっておもってしまう。

 

どうか元気で生きててくれ、出来たらしあわせでいてくれ。

 

そんなふうに思える作品と登場人物に出会えたことは僥倖だなと思う。

冬にはじまり冬におわる「正義」と「願い」の物語。特撮らしいアツい台詞回しもヒーローらしい決めゼリフもない、でもたしかに"正義のヒーロー"の物語。もし、もしよかったら、ひとりでも多くの人がこの物語を体験してくれたら嬉しいです……