Sailing in the Dawn

残酷な運命も変えなくていい。

はじめてのDREAM BOYS完全版

 

興奮して昨日の夜中に書きなぐった感想の乱文を見ながら、未だに自分の中で整理がついてないことを思い知る。

 

改めて、人生初ドリボはDVDでした。帝劇で見たかった。

 

職場の人に昨日、今日元気ないねどうしたの?と言われて、舞台のDVDを見た話をしたら、どんな話?と言われたけど、どうしようも整理がつかないくらいの情報量の多さでまとまらず諦めてしまった。本当に2時間で説明しきるには要素が多すぎて。

 

二回目を見終わって、ようやく頭の整理ができた気がする。

キーワードを挙げるなら、「絆」の物語である。

親友との絆。親子の絆。兄弟の絆。仲間の絆。すべての絆が切れたり、ほつれて絡まってしまったりしてしまっても、新しく綺麗に結び直せばいいと、この物語は教えてくれたのかもしれない。

 

 

☆ユウタ

ユウタは昨日も言ったけど、何でもかんでも引き受けすぎだし、頑張りすぎ。血の繋がらない弟のためにボクシングもやめるし、土下座もするし、犯罪者にだってなる。自身は母親に捨てられた過去を持ち、さらに親友には裏切られて、結構こう言ってはなんだが、運命はユウタに厳しすぎないか。

それでもひたすら自分の為でなくだれかを守るため、助けるために自分を犠牲にし続けるユウタはとんでもなく強い人間だなと。ユウタという人物はもの凄く淡々としてる印象だったので、芯の強さや内に秘めた炎のようなものが逆に引き立つ素晴らしい演技だったと思います。

でも、トシヤとのシーン、最後の3人だけのシーンで見せる柔らかい笑顔こそが、ユウタの「優しさ」の象徴でもあったと思いました。優しすぎるが故にたくさんの試練を引き受けてしまうのだけど、それがユウタの生き方なんですね、きっと。

 

 

☆トシヤ

最初はケントとユウタの仲をなんとか取り持とうと奮闘し、理由も言わず大金が必要だと言うユウタをなんとか助けてやりたいと奮闘するも策にはまり、ユウタを信じられなくなってしまうトシヤは、この3人の主要登場人物の中では一番わかりやすく「人間らしい」キャラだったと思います。

ただ、一幕はめちゃくちゃ活躍するんだけど、二幕は正直あんまり活躍してないのよね、だから印象から消えてる部分も多いんだけど。ただ、唯一信じてくれていた親友が裏切ることで、二幕のユウタの孤独な闘いが際立っていたなぁと思いました。また、最後のシーンで、ケントとユウタがベンチに座る後ろから話し掛けているところを見て、きっとユウタの優しさとは違う、中和剤のような役割を果たす優しさを持ったキャラクターだったのかなと思います。

 

 

☆ケント

一幕でユウタに感情移入してしまうと、ケントの感情が読み取りにくい気がするのは私だけか。でも同じ夢を見ていたはずの親友が勝手に夢を諦めてしまったら、悔しいのかもしれない。怒るかもしれない。と思うとようやくこのキャラクターが理解出来た。

夢をまっすぐ追いかけ、ユウタをまっすぐ信じ続けたケントは一番ピュアな存在だったかなと思います。だから、同じ夢を追いかけ始めた頃の、昔よく歌った歌をユウタが歌っているのを見て、心を動かされたのかなぁと。ユウタとケントの決戦の時点で、すでにケントはユウタを許していた様な気がします。 

自分をチャンピオンにさせてくれたのはユウタで、自分のことしか頭に無い自分とは違い、他人の為に必死になれるユウタを助けたいと願い行動できるケントもやっぱり、二人とは違う優しさを持った存在だったかな。

 

 

 

☆玉森さん

あのいつも飄々とした玉森さんが帝劇の舞台で豹変する映像を見て、購入を決意したわけでもうとにかく玉森さんの存在感がすごい。基本のユウタはすごく淡々としているのだけど、一気に表情が変わる時の玉森さんは本当にかっこいい。というか凛々しい。すっと立った時の凛とした感じが、いつものゆるふわ玉森さんと違っていてとにかくかっこよかった。まぁダンスはわりといつも長い手足を持て余しているのか、動きが緩いし後ろに森田美勇人がいた日にはそのゆるさが際立っちゃうんだけど、それもある意味ユウタらしさだったかもしれない。

ただ面白かったのはね、宮田にアドリブで無茶振りをぶっこむ所なんだけどね、あそこだけ明らかに玉森さんなんだよね(笑)しかも、玉森さんだけが凄く楽しそうなの、さすがだった。宮田的には凄い滑ってる感じなのに玉森さん楽しそうだから変な空気で、もうまさに宮玉だった。そういうところも好き。

 

 

☆宮田さん

なんかミュージカルの似合う動きだよね宮田は。動きにクセがあるという感じではないのだけど、ちょっと大げさな感じがミュージカルっぽいのかな(笑)ビューティフルデイズのときの宮田が一番「らしさ」が出てよかったし、おもちゃ箱から出てきたようなカラフルな感じがかわいかった。あととにかくよく首が動くし、滑舌よく喋ろうとしてるからなのか、凄い表情で喋ってることも多くて、でもそれが良かった。玉森さんも千賀さんもわりと表情豊かなキャラじゃないんだけど、宮田は顔見れば1発で何考えてるかわかる感じ。

でもネクドリ歌ってる時の宮田のかっこよさは異常だと思う。角度によるんだけど(失礼)ものすごくこちらも凛々しく見える瞬間があるんですよね。衣装も相まって王子感がすごかった。

 

 

☆千賀さん

千賀さんに関してはつねづね舞祭組に括っておいていいのか不思議な位スターだし、一番自分の魅せ方をわかっているし、自信のあるダンスしてる時の千賀さんはめちゃくちゃ輝いていてチャンプにふさわしかった。とにかくブレない。体幹の強いあのダンス、すごい好きなんですよ。BOMBの時のあの主張の強いメンツを後ろにつけても、なお目立つ千賀さんはかっこよかった。

あとは要所で光る目力がすごい。玉森さんも宮田も眼光鋭い感じじゃないけど、千賀さんの切れ長で存在感のある目は、すごいインパクトだった。 怖いくらい。てかチャンプの千賀くん怖かったもん(特に1幕)。でも、微笑む時に優しく曲線を描く目も好き。

 

 

☆かいちゃんとHi Hi Jet

主要登場人物3人以外で唯一自分の名前が役名だったカイトは、あんなにキュートでラブリーで超弟キャラの甘い声してるくせしてダンスになると突然オスになるのずるいよね。私の好きなタイプのダンスじゃないけどかっこよかった。演技でも大事な役目をしっかり果たしていて、キスマイ3人やもっと先輩たちの演技に劣らずすごくよかった。

Hi Hi Jetは宮田がプロデュースするアイドルの卵としての出演だったけど、みんなかわいくてよかったし、途中の瑞稀は流石でした。それにしても、話には関係ないけど猪狩部長が宮田に突っ込まれた時「申し訳ない」って言ったのが、めちゃくちゃ猪狩部長って感じで最高に好き。あと、冒頭の回想シーンでゆうぴがユウタ、涼くんがトシヤ、瑞稀がケントの役で出てくる時の涼くんが宮田のトーンそっくりで驚いた(笑)もちろん二人も含めて似せにいってるんだろうけど。

 

 

Love-tune

CALLがドリボの時の曲と知ってすごい腑に落ちた。二幕でCALL歌った時のストーリーと噛み合う感じにちょっと感心した。

さなぴー以外はケントのジムのメンバーというか取り巻きで、こわいしガラ悪いし、美勇人とか萩ちゃんとか見てたら思わずBBJ思い出した(笑)さなぴーは唯一の最初から最後まで悪役で、さすがの演技力だったなあと思います。バックダンサーとして出てくる時の美勇人はさすがの存在感。

 

 

☆ストーリーについて

二回見てようやくこの話の流れが掴めたんですが、話の流れが掴めてしまうとわりと話ぐちゃぐちゃなのがわかってしまって(笑)特にユウタとマダムとリカさんの関係は結局あんまりよくわかんなくて、10年ぶりの再会っていったいユウタって何歳設定だったのかな?20歳くらい?そしてマダムが自分の母でリカさんがカイトの母であるとどこで気がついたのか、わりと不思議だった。どなたか解説していただけないだろうか。サナダがマダムに復讐するというのも、クビになったというのでは、理由には弱かったような。

一方で、ユウタ、ケント、トシヤ、カイトの絆が壊れていってしまう様子は、急展開のところも多かったけど、するすると紐が解けていくように誤解がとけていき、大団円で終わる時に良かったなあと素直に思えたから、さすがに毎年恒例で上演されている舞台なだけあったのかなと思います。

 

 

☆演出について

昔かめちゃんがドリボの主役やってた頃に「日本一地に足がつかない男」とか言ってたの覚えてるんだけど、思ったほどフライングは無くて安心した(笑)あと、ユウタの夢の中なのかな、これが有名なマスク!と思ったり(なんでここでマスクなのかはさておく)映像と音に合わせながらのダンスが、特にSURVIVORとかめちゃくちゃかっこよくて、さすがジャニーズの舞台だった。ところどころイリュージョン!?と思うような演出もあって、目に飽きさせないというか。

 

 

☆最後のシーンについて

私を1日中苦しめ続けた最後のベンチのシーン。まだドキドキが止まってない。トラウマに近い感じ。まさか、こんなラストが待っているとは知らなくて、でも初めて見たこのシーン、一人一人の表情が良く見えるカットが多くて、このシーンのはじめの方から何故か胸騒ぎがやまなくて。

50になっても、70になってもここでいろんな話をしような、と言ってベンチに座るんだけど、この時点では誰もそれに反対せず肯定していて。その後ケントがユウタに決戦のお礼を言うんだけど、二人の表情に気づかないトシヤが後ろから、この二人の試合がまた観たいと言った時、お互い何も言わないんですよね。

そしてケントがあの歌を歌いたい、と小さな声で言って歌い出して。遅れて入ってくるトシヤを見て微笑んで、その後に入ってくるユウタを見てまた微笑んで。歌い終わると、ユウタは明日からトレーニングを始めようと思うと言い、トシヤはボクシングを題材に曲を作ると言う。でもそれに賛同したのはユウタだけでケントは何も言わないどころか微動だにしなくて。そして力無くユウタにもたれかかるケントを見て、みんなが死を悟るわけなんですが。

取り乱すトシヤを制止するユウタはどこかのタイミングで、ケントのことを悟っていたかもしれないと思うと、もう涙が止まらなくて。正直まだ心折れてる。この物語は「命」の物語でもあったのかなと思います。命懸けのスポーツであるボクシングに、文字通り命をかけたケント。そしてカイトの命を守るために一人奮闘したユウタ。信じたもののために一生懸命生きることの美しさを表現しているのかなあと思ったり。とか。

でもそんなそれらしい解説なんかしても心は落ち着かない。多分、千賀担だったらもっと心折れてたかも。自担が演技とはいえ毎日死んじゃってたらと思うと心臓もたないです。

 

 

そして結局このシーンのあとに、ハッピーなAAOが流れてくる感じがどうしてもなじまなくて、結局2回目もSHOW TIMEは見れなかった…いつ平常心で見れるようになるだろう…

 

 

 

本当に心から、一年前、ジャニヲタ活動してなかったことを恨むくらい、このドリボは名作と思います。来年、またこのメンバーのドリボが見たいな。どうしても。どうしても見たい。でも目の当たりにしたら本当に次の日抜け殻になりそう。それくらい、私の中では衝撃でした。ドリボDVD買ってよかった。

 

 

玉森さん、宮田さん、千賀さん、ジュニアの皆さん、他キャストの皆さん、スタッフの皆さん、素敵な舞台をありがとうございました。